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創業期の会社が経理をどう回すか

設立直後にやるべきは記帳より届出です。特に青色申告の承認申請は期限を過ぎると初年度の赤字を繰り越せません。最初に決める4つのことと、創業期にやりがちな失敗をまとめました。

まず結論

設立直後にやるべきは記帳より「届出」です。期限を過ぎると取り返せません

創業期にまず必要なのは、設立後すぐに提出する届出です。特に青色申告の承認申請は「設立の日以後3か月を経過した日と、最初の事業年度終了の日のうち、いずれか早い日の前日まで」で、遅れると初年度の赤字を繰り越せません。記帳は後から追いつけますが、届出は後から出せません

設立後すぐに出す届出

届出提出先期限
法人設立届出書税務署・都道府県・市町村設立後すみやかに(税務署は2か月以内)
青色申告の承認申請書税務署設立3か月経過日と初年度末のいずれか早い日の前日まで
給与支払事務所等の開設届出書税務署1か月以内
源泉所得税の納期の特例の承認申請書税務署随時(適用は翌月から)
棚卸資産の評価方法・減価償却の方法の届出税務署最初の確定申告の期限まで
健康保険・厚生年金の新規適用届年金事務所5日以内
労働保険・雇用保険(従業員がいる場合)労基署・ハローワーク10日以内など
青色申告の申請を忘れると、初年度の赤字を翌期以降に繰り越せません。 創業初年度は赤字になることが多く、その赤字を将来の黒字と相殺できることを前提に事業計画を立てているなら、この1枚を出し忘れるだけで計画が崩れます(青色申告の承認が取り消されるケース)。

最初に決めること

  1. 会計ソフトを何にするか — クラウド型(freee・マネーフォワード)は銀行連携が使えて創業期に向いています。契約は必ず法人名義・法人のメールアドレスで会計ソフトのログイン情報が分からなくなったとき)。
  2. 事業用の口座とカードを分ける — 個人と混ざると、後から仕分ける作業が発生します。創業期に最も効く一手です。
  3. 役員報酬を決める — 期首から3か月以内に決定し、以後は原則変更できません。生活費と会社の資金繰りの両方から逆算します。
  4. 証憑の保管ルールを決める — 月ごとの封筒でも構いません。最初に決めておけば、後から整理する手間が消えます。

消費税の扱い

設立1〜2期目は、原則として免税事業者です(資本金1,000万円以上の場合を除く)。ただし次の場合は課税事業者になります。

  • インボイス登録をした — 売上に関係なく課税事業者になります。取引先が事業者中心なら登録を検討しますが、納税と事務負担が発生することを理解したうえで判断してください。
  • 資本金1,000万円以上で設立 — 1期目から課税事業者です。
  • 特定期間(前期の前半6か月)の課税売上高が1,000万円超

詳しくは消費税の課税事業者になるタイミングと準備

記帳をどうするか

向いている状況費用の目安
自分で入力取引が少ない。時間がある会計ソフト代のみ(月2,000〜5,000円)
入力は自分+決算だけ依頼取引が単純。判断も自分でできる+決算15〜25万円(決算だけ税理士に頼む場合
記帳を外注本業に集中したい仕訳件数による
顧問契約融資を受ける。判断で止まりたくない月3〜6万円

融資を受ける予定があるなら、早い段階で税理士を入れたほうが有利です。金融機関は月次の試算表を求めます。決算まで数字が出ない状態では、審査の土俵に乗りません。

創業期にやりがちな失敗

  • 個人の口座で事業の入出金をしていた — 後から仕分けるのに膨大な時間がかかります。
  • 領収書を溜めて年度末にまとめて処理 — 会社法432条は「適時に」記帳することを求めています(会計帳簿の記載義務)。
  • 設立費用の処理を忘れる — 設立前の支出も創立費・開業費として計上できます(開業費・会社設立の費用)。
  • 会計ソフトを個人名義で契約 — 担当が代わると引き継げません。
  • 役員報酬を後から変更 — 期中の増額分は損金になりません。

最初の1年でやること

時期やること
設立直後届出、口座開設、会計ソフト契約、役員報酬の決定
毎月記帳、残高照合。従業員がいれば給与と源泉所得税の納付
決算3か月前着地見込みを出し、期末までの打ち手を決める(決算3か月前にやること
決算日〜2か月決算・申告・納付
12月年末調整(従業員がいる場合)
1月31日法定調書、給与支払報告書、償却資産申告

費用の目安は仕訳件数から試算できます。創業期は件数が少ないため、外注しても月数千円〜1万円台で収まることが多く、その時間を本業に使えるかどうかで判断してください。


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よくある質問

この記事に関するよくある質問

会社を設立したら、経理でまず何をすべきですか?

届出です。特に青色申告の承認申請書は「設立の日以後3か月を経過した日と最初の事業年度終了の日のいずれか早い日の前日まで」が期限で、遅れると初年度の赤字を繰り越せません。記帳は後から追いつけますが、届出は後から出せません。

創業期に最も効く準備は何ですか?

事業用の口座とカードを分けることです。個人と混ざると、後から仕分ける作業に膨大な時間がかかります。あわせて会計ソフトを法人名義・法人のメールアドレスで契約しておくと、担当者が代わっても引き継げます。

創業期から税理士に頼むべきですか?

融資を受ける予定があるなら早い段階で入れたほうが有利です。金融機関は月次の試算表を求めるため、決算まで数字が出ない状態では審査の土俵に乗りません。取引が少なく融資の予定も無ければ、自分で入力して決算だけ依頼する形も成り立ちます。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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