判断の材料 ・ 約6分

決算だけ税理士に頼む場合の費用と注意点

できますが1年分をまとめて確認するため単価が上がります。金額以上に大きいのは期中の打ち手が使えないこと。準備の質が費用に直結するため、揃えるべき7項目と断られやすい時期をまとめました。

まず結論

できますが、顧問契約より単価が上がり、期中の打ち手が使えなくなります

決算・申告だけをスポットで依頼することは可能です。ただし1年分の記帳をまとめて確認する作業が発生するため、顧問契約に含まれる決算料より高くなるのが通常です。金額以上に大きいのは、期中に打てたはずの手が使えないこと——決算日を過ぎてからできることは、ほとんどありません。

費用の考え方

決算・申告の費用備考
顧問契約がある場合顧問料の4〜6か月分期中に月次を見ているため、決算作業が軽い
スポット依頼(記帳済み)15〜25万円程度から記帳の内容を1年分確認する作業が加わる
スポット依頼(記帳が未完了)上記+記帳の費用1年分の入力から。件数に応じて加算
スポット依頼(資料が未整理)さらに加算証憑の整理から始まる
「決算だけなら安い」とは限りません。 顧問契約では期中に処理を確認しているため決算作業が軽くなります。スポットでは1年分をまとめて検証するため、時間がかかります。会社の状態によっては、顧問契約の年額とほぼ変わらないこともあります。

期中の打ち手が使えないという損失

これが金額より大きい問題です。決算日を過ぎてから実行できることは、ほとんどありません。

打ち手期限
設備投資(少額減価償却資産の特例など)期末までに取得し、事業の用に供すること
決算賞与期末までに支給額を各人に通知するなどの要件
不要な在庫・固定資産の処分期内に実施し証拠を残すこと
役員報酬の設定期首から3か月以内
各種届出(消費税の簡易課税など)適用したい期の開始前日まで

決算後に依頼すると、これらはすべて手遅れです。「税理士に見せたら、その処理は期中でないとできませんと言われた」——スポット依頼で最も多い後悔です。

それでもスポットが合うケース

  • 取引が少なく、判断が単純 — 設立初年度、休眠に近い会社、資産管理会社など。
  • 社内に経理の判断ができる人がいる — 期中の処理を自分で決められる。
  • すでに記帳が完了して残高も合っている — 確認作業が軽く済む。
  • まず1回試したい — 相性を見てから顧問契約を検討する。

スポットで依頼するときの準備

準備の質がそのまま費用に反映されます。

  1. 記帳を完了させる — 12か月分すべて。残高が通帳と一致している状態にしておく(通帳残高と帳簿が合わないときの原因の探し方)。
  2. 前期の決算書と申告書の控えを用意する — 期首残高の根拠になります。
  3. 証憑を月別に整理する — 領収書・請求書・契約書。
  4. 棚卸表を作る — 在庫がある場合は必須です。
  5. 固定資産の一覧 — 取得日・金額・耐用年数。
  6. 届出書の控え — 青色申告承認、消費税の各種選択。
  7. 早めに声をかける — 決算月の3か月前が理想。申告期限の直前は断られることがあります。

断られる時期があります

税理士事務所には繁忙期があります。

  • 2〜3月 — 個人の確定申告。新規のスポット依頼は受けにくい時期です。
  • 5月 — 3月決算法人の申告集中。
  • 申告期限の1か月前を切った依頼 — 作業時間が確保できず断られることがあります。

間に合わない場合の対応は決算申告の期限に間に合わないときにやることにまとめています。申告書ができていなくても、概算で納付だけ先にすれば延滞税は止まります。

年額で比べてみる

年間の費用得られるもの
スポット決算のみ15〜25万円+記帳の自社工数申告書ができる
記帳外注+スポット決算記帳13〜30万円+決算15〜25万円
28〜55万円
入力の負担が消える。ただし期中の判断は自社
顧問契約(記帳込み)48〜54万円期中の相談・判断・打ち手が使える

中段と下段の差は小さく、得られるものは大きく違います。記帳を外に出すなら、決算まで一本化したほうが総額でも有利になることが多いのが実情です。

頼み方の比較は依頼のしかた、費用の試算は仕訳件数からできます。期中に何をすべきかは決算3か月前にやることに。


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よくある質問

この記事に関するよくある質問

決算だけ税理士に頼むといくらかかりますか?

記帳が完了していれば15〜25万円程度からが目安です。記帳が未完了ならその費用が加わり、資料が未整理ならさらに加算されます。顧問契約では期中に処理を確認しているため決算作業が軽く、決算料は顧問料の4〜6か月分が一般的です。

スポットで頼むと何が不利ですか?

期中の打ち手が使えないことです。設備投資、決算賞与、不要な資産の処分、役員報酬の設定、各種届出——これらはすべて期末までに実行する必要があります。決算後に相談しても「期中でないとできません」となります。

いつまでに依頼すればいいですか?

決算月の3か月前が理想です。2〜3月(個人の確定申告期)と5月(3月決算法人の申告集中期)は新規の受付が難しく、申告期限の1か月前を切ると作業時間が確保できず断られることがあります。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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