実務の手順 ・ 約6分

会計ソフトのログイン情報が分からなくなったとき

担当者の退職で会計ソフトに入れなくなったときの復旧手順。クラウド型は再招請で戻せますが、インストール型はデータがPCの中にあるためPCの確保が最優先です。ソフト別の探し方と、復旧できない場合の作り直し方まで整理しました。

まず結論

クラウド型は再発行できます。インストール型は「PCとファイルの所在」が先です

会計ソフトのログインが分からなくなったとき、クラウド型(freee・マネーフォワードなど)は管理者権限があれば再招待で復旧できます。難しいのはインストール型(弥生・勘定奉行など)で、データはそのPCの中にあるため、まずPCを確保することが最優先です。どちらの場合も、法人契約なら契約者本人であることを示せば各社のサポートが対応します

まず、どちらの型か確認する

代表的なソフトデータの場所復旧のしやすさ
クラウド型freee会計、マネーフォワードクラウド、弥生会計オンライン提供会社のサーバー比較的容易
インストール型弥生会計(デスクトップ)、勘定奉行、JDL、PCA会計そのPCの中PCが無いと詰む

ブラウザで使っていたならクラウド型、デスクトップのアイコンから起動していたならインストール型です。

クラウド型の場合

社内に管理者権限を持つ人がいる場合

管理者の画面から、新しいメンバーを招待できます。前任者のアカウントは削除ではなく無効化にしてください。仕訳の作成者情報が残るため、後から履歴を追えます。

管理者も分からない場合

各社のサポートに連絡します。共通して求められるのは次の情報です。

  • 契約者名(法人名)と契約時のメールアドレス
  • 登記事項証明書など、法人の実在と代表者を示す書類
  • 支払い方法の情報(クレジットカードの下4桁、請求書の番号など)
  • 代表者の本人確認書類
前任者の個人メールアドレスで契約されていることがあります。 この場合は解約もできず、更新の通知も届きません。復旧できたら契約者のメールアドレスを法人のアドレスに変更してください。これを放置すると、翌年また同じことが起きます。

インストール型の場合

ステップ1:PCを確保する

データはそのPCの中にあります。前任者が使っていたPCを、初期化する前に確保してください。すでに返却・処分されている場合は、リース会社や情報システム担当に連絡して、ディスクの復元が可能か確認します。

ステップ2:データファイルを探す

ソフトごとに保存場所の初期値が決まっています。ファイル名で全体を検索するのが確実です。

ソフト探すファイル
弥生会計拡張子 .kd◯(年度により数字が変わる)、バックアップは .kb◯
勘定奉行データ領域はSQL Server上。バックアップは .zip 形式で書き出されていることが多い
JDL専用フォルダ内。バックアップ媒体(USB・外付けHDD)を併用している事務所が多い

共有フォルダ、外付けHDD、USBメモリ、クラウドストレージ(Dropbox・Google Drive)も確認してください。バックアップだけが別の場所に残っていることがよくあります。

ステップ3:パスワードがかかっている場合

データファイル自体にパスワードが設定されていると、ファイルがあっても開けません。この場合、ソフト会社でも解除できないことがほとんどです。顧問税理士が同じデータを持っていれば、そちらから復元できる可能性があります。

どうしても復旧できない場合

データが完全に失われても、記帳をゼロから作り直すことは可能です。必要なのは次の資料です。

  • 前期の決算書と申告書の控え — 期首残高の根拠になります。税務署に「申告書等閲覧サービス」を申請すれば、提出済みの申告書を確認できます(コピーは原則不可、書き写しは可)。
  • 通帳 — 取引の大部分を復元できます。紛失していても銀行で再発行できます。
  • クレジットカードの明細 — カード会社のWebで過去分をダウンロードできます。
  • 請求書・領収書 — 紙で残っていれば、そこから入力します。

期首残高さえ確定できれば、あとは記帳が数か月遅れているときの取り戻し方と同じ手順で、古い月から順に積み上げられます。

二度目を起こさないために

やること内容
契約者を法人にする契約メールアドレスを info@ など法人の共有アドレスに変更する
管理者を2人以上クラウド型は必ず代表者もしくは役員を管理者に入れておく
ID一覧を作る会計ソフト・ネットバンキング・e-Tax・カード会社・給与ソフト。パスワードは書かず、契約者名と窓口だけでも十分役に立つ
データを社外にも置く記帳を外部に出していれば、その事務所にも同じデータが残る。社内のPCが失われても復旧できる

最後の点は見落とされがちですが、実務では大きな保険になります。記帳を外に出すと、データとノウハウが社内の1人に閉じなくなります。あわせて経理担当者が辞めた直後の7日間にやることもご覧ください。


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よくある質問

この記事に関するよくある質問

クラウド型の会計ソフトにログインできなくなったら?

社内に管理者権限を持つ人がいれば、その画面から新しいメンバーを招待できます。前任者のアカウントは削除せず無効化してください。管理者も分からない場合は各社のサポートに連絡し、法人名・契約時のメールアドレス・登記事項証明書・支払い方法の情報を用意します。

インストール型(弥生会計デスクトップ版など)の場合はどうすればいいですか?

データはそのPCの中にあります。前任者が使っていたPCを初期化する前に確保してください。弥生会計なら拡張子.kd◯のファイル、バックアップは.kb◯です。共有フォルダ・外付けHDD・USBメモリ・クラウドストレージにバックアップだけ残っていることもよくあります。

データが完全に失われた場合、記帳を作り直せますか?

作り直せます。前期の決算書と申告書の控え(税務署の申告書等閲覧サービスで確認できます)で期首残高を確定し、通帳とカード明細から取引を復元します。期首残高さえ決まれば、古い月から順に積み上げられます。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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