給与計算だけ切り出すと、窓口が3つに分かれます。
毎月の計算は代行できても、12月の年末調整で税理士が、入退社の手続きで社労士が必要になります。記帳とまとめれば、給与のデータがそのまま仕訳になり、源泉所得税の納付から法定調書までが一つの窓口で終わります。
給与計算に資格は要りません。ただし年末調整と社会保険は別の資格が要ります
給与計算そのものは税理士の独占業務ではないため、無資格の事業者でも代行できます。一方で年末調整の税額確定と法定調書の作成は税理士、社会保険・労働保険の手続きは社会保険労務士の領域です。だから給与計算だけを切り出すと、年末と入退社のたびに別の相手が要ります。費用の目安は1人あたり月500〜800円、従業員50名で月5〜10万円前後です。
誰が何をできるのか
ここが曖昧なまま契約すると、あとから「それはうちではできません」と言われます。3つの資格領域に分かれます。
| 業務 | 必要な資格 | 根拠 |
|---|---|---|
| 勤怠の集計・給与の計算 | 不要 | 税理士業務にも社労士業務にも当たらない |
| 給与明細の作成・配布 | 不要 | 同上 |
| 振込データの作成 | 不要 | 同上 |
| 年末調整の税額確定 | 税理士 | 税務書類の作成(税理士法2条1項2号) |
| 源泉徴収票・法定調書の作成 | 税理士 | 同上 |
| 「この手当は課税か」の判断 | 税理士 | 税務相談(同3号) |
| 社会保険の資格取得・喪失届 | 社会保険労務士 | 社会保険労務士法2条 |
| 算定基礎届・月額変更届 | 社会保険労務士 | 同上 |
| 労働保険の年度更新 | 社会保険労務士 | 同上 |
費用の目安
| 従業員数 | 月額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 〜10名 | 1〜2万円程度 | 基本料金が中心。人数が少ないと単価は割高になりやすい |
| 〜30名 | 3〜5万円程度 | 1人あたり500〜800円が目安 |
| 〜50名 | 5〜10万円程度 | 公開されている相場の中心帯 |
| 年末調整 | 別料金が通常 | 1人あたりの単価で加算されることが多い |
| 法定調書・給与支払報告書 | 別料金が通常 | 1月31日が期限 |
金額は公開されている相場にもとづく目安です。実際は業務範囲(計算のみか、明細の配布・振込データまで含むか)と、入退社の頻度で変わります。正式なお見積りは無料でお出しします。
切り出した場合と、まとめた場合
| 給与計算だけ外注 | 記帳とまとめて外注 | |
|---|---|---|
| 毎月の計算 | 外注先 | 外注先 |
| 給与の仕訳 | 自社で入力し直す | そのまま仕訳になる |
| 源泉所得税の納付 | 自社で管理 | 期限の管理ごと任せられる |
| 年末調整 | 別途、税理士を探す | 同じ窓口 |
| 法定調書・給与支払報告書 | 別途、税理士 | 同じ窓口 |
| 社会保険の手続き | 社労士 | 社労士(ここは別) |
| 賃金台帳の受け渡し | 3者に渡す | 1回で済む |
社会保険の手続きだけは、まとめても社労士の領域です。ここを「できます」と言う相手には注意してください。
毎月の流れ
- 勤怠データを送る — タイムカード、勤怠システムの出力、Excelなど、いまの形のままで構いません
- 計算・明細の作成 — 支給日から逆算した締切までに仕上げます
- 内容の確認 — 支給額の確定はお客様の承認で行います
- 振込データ・明細の配布
- 仕訳への反映 — 記帳をまとめて任せている場合、ここが自動で繋がります
- 源泉所得税の納付 — 翌月10日(納期の特例なら年2回)
月次の実務は給与計算の月次フローに、年末の段取りは経理担当者がいなくても年末調整を終わらせる手順にまとめています。
担当者が辞めたときに止まりやすい業務です
給与は支給日を動かせません。経理担当者が1人の会社では、その人が休んだ月に真っ先に問題になります。記帳が1か月遅れても罰則はありませんが、給与の遅配は労務問題に直結します。
備えの考え方は経理が1人しかいない会社が休職・退職に備える方法、辞めた直後の対応は経理担当者が辞めた直後の7日間にやることにまとめています。
給与計算代行のよくある質問
給与計算の代行に資格は必要ですか?
給与計算そのものは税理士の独占業務ではないため、無資格の事業者でも代行できます。ただし年末調整の税額確定と源泉徴収票・法定調書の作成は税務書類の作成にあたり税理士でなければ行えず、健康保険・厚生年金・雇用保険の手続きは社会保険労務士の領域です。
給与計算代行の費用はどのくらいですか?
公開されている相場では、従業員1人あたり月500〜800円程度、従業員50名規模で月5〜10万円前後が目安とされています。業務範囲(計算のみか、明細の配布や振込データの作成まで含むか)と、従業員数の変動の多さで変わります。
給与計算だけを別の会社に頼むとどうなりますか?
毎月の計算は進みますが、12月の年末調整と1月末の法定調書・給与支払報告書で税理士が必要になり、入退社のたびに社会保険の手続きで社労士が必要になります。結果として窓口が3つに分かれ、同じ賃金台帳を3者に渡すことになります。
記帳と給与計算をまとめると何が変わりますか?
給与のデータがそのまま仕訳になるため、二重の受け渡しが不要になります。源泉所得税の納付、年末調整、法定調書までが同じ窓口で完結し、月次の締めも早くなります。社会保険の手続きは社労士の領域なので、そこだけは別途になります。