仕組みの解説 ・ 約6分

勘定科目の決め方の原則

科目名の正しさより継続していることが重要です。判断の順番は「過去の前例→支出の目的→金額の節目→税額が変わる科目か」。税額に影響するのは交際費・資産か費用か・外注費か給与か・修繕費か資本的支出かの4つだけです。

まず結論

科目名の正しさより「継続していること」が重要です

勘定科目には絶対の正解がありません。同じ支出でも、会社によって違う科目を使っていることは普通にあります。実務で問われるのは①その分類に合理的な理由があるか ②毎年同じ処理をしているかの2つ。年度によって科目を変えると期間比較ができなくなり、税務調査でも説明を求められます

判断の順番

  1. 過去に同じ支出をどう処理したか調べる — 前例があればそれに合わせる。これが最優先です
  2. その支出の「目的」で考える — 何のために使ったお金か
  3. 金額の大きさで判断が変わるものか確認する — 10万円、20万円、30万円が節目
  4. 税務上の扱いが変わる科目かを確認する — 下記の4つは特に注意
  5. 迷ったら仮払金で置く — 適当な科目に入れず、保留と分かる形にする
1番目が最も重要です。 会計ソフトで同じ取引先や似た摘要を検索すれば、前例が出てきます。前任者の処理に明らかな誤りがなければ、それに合わせるのが原則です(前任者の仕訳が間違っていたと分かったときの直し方)。

税額が変わる科目には注意

多くの科目は、どれを選んでも費用の総額が同じなので法人税額に影響しません。ただし次の4つは例外です。

科目なぜ影響するか
交際費損金算入に上限がある。他の科目から振り替わると税額が変わる(打ち上げ・懇親会の飲食代
資産か費用か資産計上すると当期の費用が減る(10万円前後のパソコン・備品
外注費か給与か源泉徴収と消費税の両方に影響(業務委託への支払
修繕費か資本的支出か資産計上すると当期の費用が減る(修理代

この4つ以外は、多少の科目の違いで税務上の問題になることはほとんどありません。迷う時間をかけるより、決めて先に進むほうが実務上は有益です。

消費税の区分は科目とは別

科目が正しくても、消費税の課税区分が誤っていると納税額が変わります。

科目より税区分のほうが、実は影響が大きいのが消費税の課税事業者です。

科目を増やしすぎない

やりがちなこと問題
支出のたびに新しい科目を作る科目が数百になり、どこに何があるか分からなくなる
似た科目が並存する「通信費」と「電話代」など。集計が分散する
担当者ごとに使う科目が違う期間比較ができない
補助科目を使う科目は増やさず、内訳を管理できる

細かく分けたいなら、科目ではなく補助科目を使ってください。決算書の見た目は変わらず、内訳だけ追えます。

雑費の使い方

「分からないから雑費」は避けてください。

  • 雑費が膨らむと、決算書の説明ができなくなります
  • 税務調査で内容を聞かれたときに答えられません
  • 目安として、雑費は経費全体の数%以内に収めたいところです
  • 同じ内容が繰り返し雑費に入るなら、専用の科目を作るべきサインです

決めたら記録に残す

「この支出はこの科目」と決めたら、その判断を残してください。

  • 摘要欄に具体的に書く(「経費」ではなく「◯◯商事 8月分請求」)
  • 迷った取引は、判断の理由をメモしておく
  • 社内のルールとしてまとめる(経理業務マニュアルの作り方

これがあれば、担当者が代わっても処理が変わりません。期間比較ができる決算書は、それだけで経営の判断材料になります。

迷いやすい支出は辞典で

当サイトでは、実務で判断に迷いやすい支出100件について、主な科目・候補になる科目・消費税の扱い・仕訳例・間違えやすい点をまとめています。

勘定科目の判断辞典からご覧ください。CSV版(登録不要・無料)は無料テンプレートで配布しています。手元に置いて、迷ったときに引く形で使えます。


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よくある質問

この記事に関するよくある質問

勘定科目に迷ったらどう決めればいいですか?

まず過去に同じ支出をどう処理したか調べ、前例があればそれに合わせます。これが最優先です。次にその支出の目的で考え、金額の節目(10万円・20万円・30万円)を確認します。どうしても分からなければ仮払金で置き、適当な科目に入れないでください。

科目を間違えると税金が変わりますか?

多くの科目は費用の総額が同じなので法人税額に影響しません。影響するのは4つだけです。交際費(損金算入に上限がある)、資産か費用か、外注費か給与か、修繕費か資本的支出か。この4つ以外は、迷う時間をかけるより決めて先に進むほうが有益です。

細かく分けたいときはどうしますか?

科目を増やすのではなく補助科目を使ってください。科目が数百になると、どこに何があるか分からなくなり、似た科目が並存して集計も分散します。補助科目なら決算書の見た目は変わらず、内訳だけ追えます。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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