判断の材料 ・ 約6分
経理システムを入れるか外注するかの判断基準
システムは入力を速くするもの、外注は入力を無くすものです。代替関係ではありません。分かれ目は社内に人がいるかどうか。実は両方使うのが最も効率的で、データで渡せる分だけ外注費も下がります。
まず結論
システムは「入力を速くする」もの、外注は「入力を無くす」ものです
両者は代替関係ではありません。システムを入れても、入力する人と判断する人は社内に必要です。外注はその作業ごと社外に移すため、社内工数が消えます。判断の分かれ目は「社内に人がいるか」——人がいるならシステムで速くする、いないなら外注、が原則です。
それぞれが解決すること
| 課題 | システム | 外注 |
|---|---|---|
| 入力に時間がかかる | 解決する(自動連携・AI仕訳) | 解決する(作業ごと消える) |
| 入力する人がいない | 解決しない | 解決する |
| 判断できる人がいない | 解決しない | 税理士が関与すれば解決 |
| 担当者が辞めると止まる | 解決しない | 解決する |
| 数字を早く見たい | 解決する | 締めの速さ次第 |
| コストを下げたい | 人件費は残る | 人件費が消える |
「システムを入れれば経理担当者が要らなくなる」は誤解です。 自動連携で取り込まれた取引にも、科目の確認と判断が必要です。AIの仕訳提案も、正しいかどうかを人が見ます。システムが減らすのは「打ち込む時間」であって、「見る時間」ではありません。
費用で比べる
| 形 | 年間費用 | 社内工数 |
|---|---|---|
| システム導入のみ | 会計ソフト 3〜10万円 +担当者の人件費 | 残る(速くはなる) |
| 記帳を外注 | 仕訳件数に応じる (月150件なら年13.5万円程度) | 証憑を送る時間のみ |
| 両方 | ソフト代+外注費 | 最小。データで渡せるため外注費も下がる |
実は「両方」が最も効率的です。クラウド会計で銀行・カードを自動連携し、そのデータを外注先が処理する形にすると、証憑の受け渡しコストが消え、外注の単価も下がります。
損益分岐で考える
単純化すると、次のように整理できます。
- 入力に月10時間以上かかっている → 何らかの手を打つべき水準
- 入力できる人が社内にいる → まずシステムで効率化。それでも足りなければ外注
- 入力できる人がいない・辞めそう → システムを入れても解決しないので外注
- 判断で毎月止まっている → システムでは解決しない。税理士が関与する形へ
システムを入れるときの注意
- 導入だけで終わらせない — 自動連携を設定しても、ルールを作らないと取り込まれた取引が放置されます。
- 二重計上に注意 — 自動取り込みと手入力が重なると残高が合わなくなります(通帳残高と帳簿が合わないときの原因の探し方)。
- 契約は法人名義で — 担当者の個人アカウントだと、退職時に入れなくなります(会計ソフトのログイン情報が分からなくなったとき)。
- AI仕訳の提案を鵜呑みにしない — 過去の履歴から推測しているだけで、税務上の正しさを保証するものではありません。
外注するときの注意
- 税理士が関与するかを確認する — 判断が必要な場面で止まるかどうかが決まります(記帳代行業者の選び方)。
- データで渡せる形にしておく — 紙の郵送より安く、速くなります。
- 会計ソフトは自社名義で契約 — 委託先が変わってもデータが残ります。
- 社内に残る業務を明確にする — 請求書の発行、入金確認、支払の実行は通常社内に残ります。
順番としては
迷ったら、次の順で考えると整理できます。
- いま経理に何時間かかっているかを測る — 感覚ではなく実測。
- その時間を「入力」「判断」「その他の事務」に分ける
- 入力が大半なら → システムか外注。人がいるならシステム、いないなら外注
- 判断が大半なら → 税理士が関与する形にする。システムでは解決しません
- その他の事務が大半なら → パートの検討(経理をパートで雇う場合の実質コスト)
仕訳件数から外注費用を試算すると、システム代と比べられる具体的な金額が出ます。3形態の総額比較は経理を雇う・派遣・外注の総額比較に。
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よくある質問
この記事に関するよくある質問
会計システムを入れれば経理担当者は不要になりますか?
なりません。自動連携で取り込まれた取引にも科目の確認と判断が必要で、AIの仕訳提案も正しいかを人が見ます。システムが減らすのは「打ち込む時間」であって「見る時間」ではありません。入力する人がいない場合、システムでは解決しません。
システムと外注はどちらを選ぶべきですか?
入力できる人が社内にいるならシステムで効率化、いない・辞めそうなら外注です。判断で毎月止まっているならシステムでは解決しないため、税理士が関与する形にします。実は両方使うのが最も効率的で、クラウド会計で自動連携したデータを外注先が処理すると外注費も下がります。
システム導入で気をつけることは何ですか?
自動取り込みと手入力が重なる二重計上、契約を担当者の個人名義にしてしまうこと、AI仕訳の提案を鵜呑みにすることです。特にAIは過去の履歴から推測するため、前任者の誤りがあればそれを踏襲します。