判断の材料 ・ 約7分

経理を雇う・派遣・外注の総額比較

年額で並べると正社員は約348万円、派遣は約384万円、記帳の外注は十数万〜数十万円。ただし指揮命令の可否や税務判断の有無など、金額以外の違いも整理しました。組み合わせが現実的です。

まず結論

年額で並べると、正社員は約348万円、派遣は約300万円、外注は数十万円です

3つを同じ土俵で比べると差がはっきりします。正社員は月およそ29万円(給与22万+賞与3.7万+社会保険料の会社負担3.3万)=年348万円派遣は時給2,000円×160時間で月32万円=年384万円(社保の負担は無いが単価が高い)。記帳の外注は仕訳件数によりますが、月150件なら月11,250円=年13.5万円。ただし3つは「できること」が違うため、金額だけでは決められません。

年額で並べる

形態月額年額含まれるもの
正社員約29万円約348万円給与22万+賞与3.7万(年2か月を月換算)+社会保険料の会社負担3.3万
パート約13万円約156万円時給1,200円×週20時間。社保加入なら会社負担が加わる
派遣約32万円約384万円時給2,000円×160時間。社保・賞与・採用費は不要
記帳の外注1〜3万円台十数万〜数十万円仕訳件数に応じる(1仕訳50〜100円が相場)
顧問契約(記帳込み)3〜6万円36〜72万円記帳+税務相談+決算・申告
正社員の金額には、まだ含まれていないものがあります。 求人広告費(10〜50万円)または人材紹介手数料(年収の30〜35%=約100万円)、教育の時間、机やPCなどの設備、退職金の引当。実際の負担はさらに大きくなります。

金額以外の違い

項目正社員派遣外注
できる業務経理以外も頼める契約した業務のみ契約した業務のみ
指揮命令できるできるできない(すると偽装請負)
急な依頼対応しやすい契約範囲内なら可契約外は追加費用
属人化起きやすい起きにくい起きない(組織で対応)
退職・交代のリスク大きい期間満了で交代小さい
税務の判断担当者の知識次第同上税理士が関与すれば可
繁閑の調整できない(固定費)契約更新時のみ件数に応じて変動

外注に指揮命令はできません

実務で誤解が多い点です。業務委託先の担当者に対して、作業の手順や時間を直接指示すると偽装請負にあたります。外注は「成果物を受け取る」関係で、進め方は相手が決めます。

逆に言えば、細かく指示しないと回らない業務は外注に向きません。手順が確立している定型業務(記帳の入力、証憑の整理、給与計算)が外注に適しています。

組み合わせが現実的です

「全部社員」か「全部外注」の二択ではありません。実務で多いのは次の形です。

分担社内に残すもの外に出すもの
よくある形請求書の発行、入金確認、支払の実行、資料を送る作業仕訳の入力、証憑の整理、月次資料の作成、決算・申告
担当者がいる場合入力までチェックと決算・申告(自社入力+チェック
社長1人の会社証憑を送るだけ入力から申告まで一本化

この形にすると、社内に必要な工数が月に数時間まで下がることがあります。パートを雇う必要すら無くなるケースもあります。

判断の順番

  1. 業務を書き出す — 経理として何をやっているかを列挙します。
  2. 「判断が要るか」で分ける — 手を動かすだけのものは外に出せます(無資格者ができる経理業務・できない業務)。
  3. 外に出せる分の量を測る — 月間の仕訳件数がそのまま費用になります。
  4. 残った業務に必要な工数を見積もる — それが月10時間なら、正社員は要りません。
  5. 年額で比較する — 月額ではなく年額で。賞与と社保を忘れずに。

仕訳件数から外注費用と雇用コストを比較できます。月間の仕訳件数を入れるだけで、年間の差額が出ます。

採用を決める前に

経理の求人を出す前に確認すべきことは経理の求人を出す前に確認する3つのことにまとめています。募集をかけてから「やっぱり外注でよかった」と気づくと、求人広告費が無駄になります。順番として、外注で回るかを先に確認するほうが損が小さくなります。


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よくある質問

この記事に関するよくある質問

経理を雇う場合と外注する場合、年額でいくら違いますか?

正社員は月およそ29万円(給与22万+賞与3.7万+社会保険料の会社負担3.3万)で年348万円。記帳の外注は仕訳件数によりますが、月150件なら1仕訳75円で月11,250円=年13.5万円です。ただし外注に税務判断は含まれないため、決算・申告は別途必要です。

派遣と外注はどう違いますか?

指揮命令ができるかどうかが決定的な違いです。派遣スタッフには作業の手順や時間を指示できますが、業務委託先の担当者に直接指示すると偽装請負にあたります。細かく指示しないと回らない業務は外注に向きません。

外注にすると社内の工数はどのくらい残りますか?

請求書の発行、入金確認、支払の実行、資料を送る作業が残ります。会社によっては月に数時間まで下がり、パートを雇う必要すら無くなるケースもあります。まず業務を書き出して「判断が要るか」で分けてみてください。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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