判断の材料 ・ 約7分

記帳代行業者の選び方(資格・体制・料金の3軸)

価格順に並べても実務では選べません。税理士が関与するか、判断が必要なときどうなるか、年額の総額と範囲——この3軸で見ます。「勘定科目に迷ったらどうなりますか」の答えが最も相手の実力を測れます。

まず結論

見るのは3つ——「税理士が関与するか」「止まったときどうなるか」「いくらで何が含まれるか」

比較サイトは価格順に並べますが、実務で効くのは①資格(税理士が関与するか) ②体制(判断が必要なときの流れ) ③料金(年額の総額と範囲)の3軸です。特に②を質問して答えられない相手は避けてください。安さだけで選ぶと、判断が必要な取引が保留のまま溜まります。

軸1:資格 — 税理士が関与するか

記帳の入力自体は無資格でも行えます(記帳代行は税理士法違反になるのか)。問題は、判断が必要な場面で誰が決めるかです。

確認すること望ましい答え
税理士が関与しますか関与する。または「決算は提携税理士が行う」と明確
申告書には誰が署名しますか税理士の氏名と登録番号が入る
「監修」とは何を指しますか個別の申告に関与するのか、サイトの記事の監修なのか(名義貸し(税理士法37条の2)とは何か
「申告まで代行します」と表示している無資格の業者は避けてください。 その表示自体が税理士法に触れる可能性があり、法令への姿勢が表れています。

軸2:体制 — 止まったときどうなるか

この質問が最も相手の実力を測れます。「勘定科目に迷ったらどうなりますか?」と聞いてみてください。

答え評価
「税理士に確認して回答します」正しい。判断の経路がある
「仮勘定で置いて、月次でまとめて確認します」運用が決まっている
「弊社で判断します」危険。無資格なら税理士法違反
「お客様にご確認いただきます」可。ただし判断の負担は自社に残る
明確に答えられない運用が決まっていない

あわせて確認したい体制面:

  • 担当者が辞めたらどうなるか — 属人的な体制だと、そちら側の交代でも品質が落ちます。
  • 連絡手段と反応の速さ — メールのみか、チャットも使えるか。
  • 月次をいつ締めるか — 「翌月◯日までに試算表」と約束できるか。
  • データの取り扱い — 再委託の有無、秘密保持、海外での作業の有無。

軸3:料金 — 年額の総額と範囲

月額だけを比べても意味がありません。年額の総額で並べます。

確認項目なぜ
含まれる仕訳件数と超過単価「月額○円〜」の実態がここで決まる
決算・申告は含むか含まないなら年額いくらか。顧問料の4〜6か月分が一般的
証憑の渡し方の条件紙だと加算されることがある
年末調整・法定調書別料金のことが多い
会計ソフトの費用指定ソフトの契約が必要かどうか
最低契約期間・解約条件年契約で途中解約不可の場合がある

価格差が生まれる仕組みは記帳代行の相場が事務所ごとに違う理由に、確認項目の全体は記帳代行の見積りで必ず確認する8項目にまとめています。

業種への理解も確認する

建設業の工事別原価、飲食店の日次売上と軽減税率、医療の保険請求と自由診療の区分——業種特有の処理があります。同業種の対応経験を聞いてください。経験が無いと確認のやり取りが増え、月次が遅れます(業種別の記帳・経理)。

会計ソフトの対応

「乗り換えが必要」と言われたら、その理由を確認してください。弥生・マネーフォワード・JDL・勘定奉行・freeeなど主要なソフトは、そのまま外注できます会計ソフト別)。乗り換えを前提にする事務所は、自社の効率を優先している可能性があります。

ただし、乗り換えたほうが結果的に安くなるケースもあります。理由を説明できるかどうかが判断材料です。

避けたほうがよいサイン

  • 無資格なのに「申告まで対応」と表示している
  • 「判断はこちらでやります」と言う(無資格の場合)
  • 見積りの内訳を示さない
  • 「業界最安」「必ず節税できます」といった断定表現
  • 契約を急がせる
  • 担当者と一度も話さないまま契約させようとする

選ぶ前に自社の条件を整理する

  1. 月間の仕訳件数(通帳の行数+カード明細+領収書の枚数)
  2. 使っている会計ソフト
  3. 業種
  4. 証憑の形態(紙かデータか)
  5. 消費税の課税方式(免税・簡易・本則)
  6. 決算・申告を含めたいか

この6つが揃っていれば、どこに聞いても具体的な見積りが返ってきます。揃っていないと「○円から」としか答えられず、比較になりません。仕訳件数から費用の目安を試算してから相談すると話が早く進みます。


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よくある質問

この記事に関するよくある質問

記帳代行を選ぶとき、最も確認すべきことは何ですか?

「勘定科目に迷ったらどうなりますか」と質問してください。「税理士に確認して回答します」「仮勘定で置いて月次でまとめて確認します」なら運用が決まっています。「弊社で判断します」と答える無資格業者は危険で、それ自体が税理士法違反です。

会計ソフトの乗り換えを求められたら応じるべきですか?

理由を確認してください。弥生・マネーフォワード・JDL・勘定奉行・freeeなど主要なソフトはそのまま外注できます。乗り換えを前提にする事務所は自社の効率を優先している可能性がありますが、乗り換えたほうが安くなる場合もあるため、説明できるかどうかが判断材料です。

避けたほうがよい業者のサインはありますか?

無資格なのに「申告まで対応」と表示している、判断を自社で行うと言う、見積りの内訳を示さない、「業界最安」「必ず節税できます」といった断定表現を使う、契約を急がせる、担当者と一度も話さないまま契約させようとする——これらは注意が必要です。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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