請求書発行から入金消込までの流れ
消込が進まない原因は振込名義が請求先と違うこと、複数請求のまとめ入金、振込手数料の差額の3つです。売掛金に取引先別の補助科目を設定するだけで残高の追跡が一気に楽になります。
消込が進まない原因は「振込名が請求先と違うこと」と「差額」です
入金の照合でつまずくのは、振込人名義が請求先と一致しない、複数の請求がまとめて入金される、振込手数料が差し引かれているの3つです。いずれも請求の段階で手を打てば消えます。特に売掛金に取引先別の補助科目を設定するだけで、残高の追跡が一気に楽になります。
請求から入金までの流れ
| 工程 | やること |
|---|---|
| 1. 売上の計上 | 締日に売上と売掛金を計上(入金時ではない) |
| 2. 請求書の発行 | 締日から数日以内に発行・送付 |
| 3. 入金 | 支払期日に着金 |
| 4. 消込 | 売掛金を消し、差額があれば処理 |
| 5. 未回収の追跡 | 期日を過ぎたものを一覧化 |
つまずく原因と対策
| 原因 | 対策 |
|---|---|
| 振込名義が請求先と違う | 取引先マスタに振込名義を登録しておく。一度調べれば次から迷わない |
| 複数の請求がまとめて入金 | 請求書に請求番号を付け、支払通知書をもらう。金額の組み合わせで特定する |
| 振込手数料が引かれている | 契約時にどちらが負担するか決める。先方負担なら差額は支払手数料(振込手数料) |
| 一部だけ入金 | 売掛金を一部消込し、残額を残す。理由を確認する |
| 相殺されている | 買掛金との相殺。総額で処理し、相殺の仕訳を別に立てる |
| 前受・過入金 | 前受金として処理。次回の請求で充当 |
補助科目を取引先別にする
これだけで消込の負担が大きく変わります。
- 売掛金に取引先別の補助科目を設定する
- 取引先ごとの残高が一覧で見える
- 残高が残っている=未回収なので、追跡が容易
- 会計ソフトの標準機能で、追加費用はかかりません
取引先が多い場合は、金額の大きい上位だけ補助科目を作り、少額は「その他」でまとめるという運用でも実用的です。
月次で見る「売掛金の年齢調べ」
未回収がいつのものかを分類します。
| 経過 | 対応 |
|---|---|
| 期日前 | 正常 |
| 1か月超過 | 確認の連絡。請求書が届いているか |
| 2〜3か月超過 | 督促。取引条件の見直しを検討 |
| 6か月超過 | 回収可能性の検討。取引の継続を判断 |
| 1年超 | 貸倒れの検討(要件あり・売掛金が回収できない) |
回収が遅れるほど、回収できる確率は下がります。1か月超過の時点で連絡するだけで、多くは解決します。「請求書が届いていなかった」「担当者が処理を忘れていた」というケースが実際に多いためです。
請求側で減らせる手間
- 請求書に請求番号を入れる — 支払通知書と照合しやすくなります
- 振込先を1口座に統一する — 複数口座に分散すると追跡が煩雑
- 期日を明記する — 「翌月末」ではなく具体的な日付
- 手数料の負担を明記する — トラブルの元を消す
- 締日から発行までを短くする — 発行が遅れれば入金も遅れます
- 入金消込に対応した請求システムを使う — 件数が多いなら効果が大きい
資金繰りに直結します
売掛金は「まだ現金になっていない売上」です。回収が1か月遅れれば、その分の資金が1か月使えません。売上が伸びているのに資金が苦しい会社は、たいてい回収サイクルに原因があります。
資金繰り表の作り方は資金繰り表の作り方に、月次で締める手順は月次決算を5営業日で締める手順にまとめています。
なお入金消込は資格が不要な作業なので、外に出すこともできます(無資格者ができる経理業務・できない業務)。ただし請求と回収は相手のある業務なので、社内に残すほうが実務上スムーズなことが多い部分です。費用の目安は仕訳件数から試算できます。
この記事に関するよくある質問
入金の消込が進みません。何が原因ですか?
振込人名義が請求先と一致しない、複数の請求がまとめて入金される、振込手数料が差し引かれている——この3つがほとんどです。取引先マスタに振込名義を登録し、請求書に請求番号を入れ、手数料の負担を契約時に決めておけば解消します。
振込手数料が引かれていた差額はどう処理しますか?
先方が手数料を差し引いた場合、自社が負担したことになるため支払手数料として処理するのが原則です。売上値引にすると売上高が減り、消費税の課税売上も変わってしまいます。
未回収の売掛金はどう管理しますか?
売掛金に取引先別の補助科目を設定し、月次で年齢調べ(何か月前の未収か)を行ってください。1か月超過の時点で確認の連絡をするだけで多くは解決します。「請求書が届いていなかった」「担当者が処理を忘れていた」というケースが実際に多いためです。