月次決算を5営業日で締める手順
遅い原因は入力の速さではなく資料が揃わないことです。締日を決めて過ぎたら翌月扱いにするだけで締まります。完璧さより速さを優先し、月次で必ず見る5項目も示しました。
早く締まらない原因は入力の速さではなく「資料が揃わないこと」です
月次決算が遅い会社は、たいてい請求書や経費精算が月初に揃わないことが原因です。入力を速くしても、元になる資料が来なければ締まりません。締日を決めて、それを過ぎたものは翌月扱いにする——このルールを守るだけで、5営業日で締まるようになります。完璧さより締まる速さを優先するのが月次決算です。
5営業日で締めるスケジュール
| 日 | やること |
|---|---|
| 前月末 | 実地棚卸(在庫がある場合)/現金の実査 |
| 1営業日目 | 売上の確定(請求書の発行)/前月分の経費精算の締切 |
| 2営業日目 | 仕入・外注の請求書を集計/未着分の確認 |
| 3営業日目 | 入力(連携データの登録・手入力分) |
| 4営業日目 | 残高照合(預金・現金・売掛・買掛)/未払・未収の計上 |
| 5営業日目 | 試算表の確認/前月比の異常値チェック/報告 |
遅くなる原因と対策
| 原因 | 対策 |
|---|---|
| 経費精算が出てこない | 締切を決め、過ぎたら翌月扱いにする。例外を作らない |
| 仕入先の請求書が遅い | 概算で未払計上し、確定したら差額を調整 |
| 売上の確定が遅い | 請求業務の締日を前倒しする |
| 入力に時間がかかる | 銀行・カード連携を使う(銀行・カードの自動連携の設定と落とし穴) |
| 判断で止まる | 仮勘定で置いて先に進み、月末にまとめて確認 |
| 残高が合わない | 毎月やれば数分。溜めると数日(通帳残高と帳簿が合わないときの原因の探し方) |
| 完璧を目指す | 概算で締めて、後で調整するという考え方に変える |
締切を守らせる仕組み
「経費精算を月初3日までに」と言っても守られません。仕組みで解決します。
- 締切を過ぎたら翌月扱い — 本人の精算が1か月遅れるので、次から出すようになります
- 例外を作らない — 一度認めると全員が遅れます
- スマホで申請できるようにする — 紙の申請書が最大の障壁です
- 使った日に撮影・申請するルール — 月末にまとめてやるから遅れます
月次で必ず見る5項目
- 預金残高が通帳と一致するか — ここが合えば取り込み漏れと二重計上は無い
- 現金残高がマイナスでないか — マイナスは物理的にあり得ない=必ず誤り
- 売掛金の年齢調べ — 何か月前の未収が残っているか。回収漏れの発見
- 前月比で大きく動いた科目 — 異常値の検出
- 仮払金・仮受金の残高 — 判断保留の取引が溜まっていないか
この5つを見れば、細かい仕訳を1件ずつ確認しなくても、おかしい箇所は見つかります。
月次が締まると何が変わるか
- 決算が楽になる — 決算月にやるのは決算整理だけになります
- 融資の審査が通りやすくなる — 金融機関は月次試算表を求めます
- 着地見込みが立つ — 期中に打つ手を判断できます(決算3か月前にやること)
- 誤りが早く見つかる — 決算でまとめて発覚するより、修正が簡単です
- 担当者が代わっても引き継げる — 月次で完結していれば、途中から入れます
社内で回らない場合
入力を外に出すと、月次で締める工程が外部の仕組みに乗ります。証憑を送れば、期日までに試算表が返ってくる形です。
社内に残るのは「資料を集めて送る」ことと「判断が必要な取引を決める」ことだけになります。締まらない原因が入力の時間なら、これで解決します。費用は仕訳件数から試算できます。
証憑の集め方は無料の証憑整理シートにまとめてあります(登録不要)。
この記事に関するよくある質問
月次決算が遅いのはなぜですか?
請求書や経費精算が月初に揃わないためです。入力を速くしても元になる資料が来なければ締まりません。締切を決めて、過ぎたものは翌月扱いにする——このルールを例外なく守るだけで、5営業日で締まるようになります。
完璧に合わせようとすると時間がかかります。
月次決算の目的は正確な数字を作ることではなく、早く判断材料を出すことです。1円まで合わせるために10日かけるより、概算で5日目に出すほうが経営には役立ちます。確定は決算でやればよいと割り切ってください。
月次で最低限見るべき項目は何ですか?
5つです。預金残高が通帳と一致するか、現金残高がマイナスでないか、売掛金の年齢調べ(何か月前の未収が残っているか)、前月比で大きく動いた科目、仮払金・仮受金の残高。これだけで、細かい仕訳を1件ずつ見なくてもおかしい箇所は見つかります。