判断の材料 ・ 約6分

顧問料の値上げを打診されたときの判断

感情ではなく契約時と比べた業務量の変化で判断します。免税から課税事業者になった、本則課税になった、従業員が増えた——これらは実際に作業量が増えます。作業を減らして金額を維持する交渉も現実的です。

まず結論

「業務量が増えたか」で判断します。増えていないなら理由を聞いてください

顧問料の改定を打診されたら、感情ではなく契約時と比べて業務量が増えているかで判断します。売上や従業員が増えれば仕訳件数も判断も増えるため、改定には合理性があります。増えていないのに上がるなら、その理由を聞く——値上げそのものより、説明があるかどうかが関係を続けるかの判断材料になります。

まず自社の業務量の変化を確認する

項目契約時現在増えていれば
月間の仕訳件数作業量が直接増えている
売上高取引の複雑さが増す
従業員数給与・年末調整の負担増
拠点・事業の数部門別の管理が発生
消費税の課税方式免税→課税、簡易→本則で大幅増
相談の頻度時間の消費が増えている

特に免税事業者から課税事業者になった場合や、簡易課税から本則課税に変わった場合は、作業量が大きく変わります(消費税の課税事業者になるタイミングと準備)。インボイス制度で1件ごとの確認が増えたことも実務上の負担増です(インボイス制度で記帳がどう変わったか)。

聞くべきこと

  1. 改定の理由 — 業務量の増加か、全体の料金改定か、人件費の上昇か。
  2. 何が増えたのか — 具体的な作業名で。
  3. 改定後の業務範囲 — 金額が上がる分、何か増えるのか。同じなら単なる値上げです。
  4. 据え置く方法はあるか — 例えば証憑をデータで渡す、自社で入力するなど、作業を減らす代わりに料金を維持できないか。
「作業を減らして金額を維持する」という交渉は現実的です。 領収書を月ごとに整理する、データで渡す、質問をまとめて月1回にする——これらは相手の作業時間を実際に減らすため、応じてもらえることがあります。

相場と比べる

月額の目安含まれるもの
顧問のみ(記帳は自社)3〜4万円税務相談、月次の確認、決算・申告(別料金の場合あり)
顧問+記帳代行4〜6万円上記+仕訳の入力
記帳代行のみ5,500円〜/1仕訳50〜100円入力のみ。税務判断は含まない

自社がどこに位置するかを確認してください。記帳が含まれているかどうかで、金額の意味がまったく違います。詳しくは記帳代行と経理代行と税理士顧問の違い

値上げを受け入れるべきケース

  • 売上・従業員・拠点が増え、明らかに作業量が増えている
  • 課税事業者になった、本則課税になった
  • 相談の頻度が高く、実質的に時間を多く使ってもらっている
  • これまでが相場より明らかに安かった
  • 説明が具体的で、納得できる

見直しを検討してよいケース

  • 業務量が変わっていないのに上がる
  • 理由の説明がない、または曖昧
  • 相場より明らかに高くなる
  • そもそも訪問も連絡もほとんど無い
  • 相談しても回答が遅い、または返ってこない

ただし「安いところに変える」だけが選択肢ではありません。記帳の入力だけを外に出して顧問料の対象範囲を減らす、逆に記帳も含めて一本化する——契約の形を変えることで総額が下がることがあります(依頼のしかた)。

変えると決めた場合

手順と返してもらう書類は税理士との契約を解除するときの引き継ぎにまとめています。切り替えは決算・申告が終わった直後が最も揉めません。決算作業の最中や税務調査中は避けてください。

判断の前に

自社の月間仕訳件数を把握しておくと、どの見積りも具体的な数字で比較できます。仕訳件数から費用の目安を試算すると、記帳のみ・決算込みの両方と、経理を雇った場合との差額が同時に出ます。感覚ではなく数字で話せると、交渉も判断もぶれません。


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よくある質問

この記事に関するよくある質問

顧問料の値上げを打診されたら何を確認すべきですか?

改定の理由、具体的に何が増えたのか、改定後の業務範囲、そして据え置く方法があるかの4つです。値上げそのものより、説明が具体的で納得できるかが、関係を続けるかの判断材料になります。

業務量が増えていないのに値上げされる場合は?

理由を聞いてください。全体の料金改定や人件費の上昇が理由なら、それ自体は不合理ではありません。ただし説明がない、曖昧、相場より明らかに高くなる、訪問も連絡もほとんど無いといった場合は、契約の形を見直す時期かもしれません。

金額を維持してもらう交渉はできますか?

現実的です。領収書を月ごとに整理する、データで渡す、質問をまとめて月1回にする——これらは相手の作業時間を実際に減らすため、応じてもらえることがあります。「作業を減らす代わりに金額を維持できないか」という提案が有効です。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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