記帳が数か月遅れているときの取り戻し方
つい直近から手をつけたくなりますが、残高が繋がらなくなるため古い月から順に埋めるのが結果的に速い方法です。資料を月ごとに分ける→通帳から埋める→カード・現金を足す→残高を合わせて次の月へ。1か月ずつ完成させるのが原則です。
古い月から順に埋めるのが、いちばん速い
記帳が数か月〜1年遅れているとき、つい直近から手をつけたくなりますが、残高が繋がらなくなるため古い月から順に埋めるのが結果的に速いです。手順は①資料を月ごとに分ける ②通帳から埋める ③カード・現金を足す ④残高を合わせて次の月へ。1か月分が完成してから次に進むのが原則です。申告期限が近い場合は、期限だけ先に確認してください。
まず確認:期限が迫っているか
記帳より先に、期限のあるものを確認します。記帳は遅れても取り返せますが、期限は取り返せません。
- 法人の決算・申告 — 決算日の翌日から2か月以内。
- 個人の確定申告 — 原則として翌年3月15日。
- 消費税の申告 — 法人は決算から2か月以内、個人は3月31日。
- 源泉所得税の納付 — 原則翌月10日(納期の特例なら年2回)。
間に合わないと分かった時点で、税務署に相談してください。無申告のまま放置すると、無申告加算税と延滞税が加算されます。
手順1:資料を月ごとに分ける
記帳が遅れているとき、資料は「まとめて一箇所」になっていることがほとんどです。まずこれを月ごとに分けます。ここを飛ばすと、あとで必ずやり直しになります。
- 通帳(またはネットバンキングのCSV)を月ごとに
- クレジットカードの明細を月ごとに
- 領収書・レシートを日付順に並べて月ごとに
- 請求書(受領・発行の両方)を月ごとに
手順2:通帳から埋める
入力は通帳から始めます。理由は、通帳が「事実の記録」だからです。入出金は必ず起きた取引なので、これを軸にすると漏れが出ません。
- 最も古い未処理の月から、通帳の1行目を入力する
- 相手先と内容が分かるものは、その場で科目を確定させる
- 分からないものは仮の科目を入れて、印をつけておく(あとでまとめて確認)
- その月の最終行まで入力したら、残高を通帳と照合する
残高が合わないまま次の月に進むと、どこでずれたか分からなくなります。1か月ずつ必ず合わせてください。
手順3:カード・現金を足す
通帳が終わったら、同じ月のクレジットカード明細と現金支出を入力します。
- カードは利用日で費用計上し、引落日に未払金を消す(引落時にまとめて費用にすると月がずれます)
- 現金支出は領収書から入力。日付順に処理する
- 領収書のない支出は、日付・相手・内容・金額をメモで残す
手順4:残高を合わせて次の月へ
その月の入力が終わったら、次を確認します。
- 通帳残高 = 会計ソフトの預金残高
- 現金残高が実態とかけ離れていないか(マイナスになっていないか)
- 売掛金・買掛金が実態と合っているか
ここまで確認できたら、次の月に進みます。この繰り返しです。
やってしまいがちな失敗
- 直近の月から入力する — 残高が繋がらず、結局やり直しになります。
- 分からない取引を飛ばす — 飛ばした分だけ残高がずれ、原因の特定が難しくなります。仮の科目を入れて先に進むほうが速いです。
- 現金残高がマイナスになっている — ありえない状態なので、必ず原因があります(事業主借の計上漏れ、入力漏れなど)。
- 決算直前にまとめてやる — 作業が集中し、税理士への依頼費用も高くなります。
自力で戻すか、外に出すか
遅れが1〜2か月なら自力で取り戻せます。半年を超えている場合は、外に出したほうが速いことが多いです。理由は、遅れている状態では日常業務と並行して過去分を処理する必要があり、片手間では終わらないためです。
過去分をまとめて依頼する場合も、証憑を月ごとに分けてお送りいただければそのまま進められます。仕訳件数から費用を試算すると、いまの状態で外注した場合の金額が分かります。