判断の材料 ・ 約6分

記帳代行の相場が事務所ごとに違う理由

月5,500円から月6万円まで開く理由は、仕訳件数・証憑の渡し方・税理士の関与・決算を含むかの4つです。特に後半2つで年額が数十万円変わるため、月額だけを並べても比較になりません。

まず結論

金額の差は「何をどこまでやるか」の差です。単価が違うのではありません

同じ「記帳代行」でも月5,500円から月6万円まで開きます。差を生むのは主に4つ——①仕訳件数 ②証憑の渡し方 ③税理士が関与するか ④決算・申告を含むかです。特に③と④で年額が数十万円変わるため、月額だけを並べても比較になりません。

価格を決める4つの要素

1. 仕訳件数(最も基本)

1仕訳あたり50〜100円が相場です。月100件なら5,000〜10,000円、月500件なら25,000〜50,000円。「月額○円〜」の「〜」は、たいてい最小の件数枠です。

月間仕訳件数目安(1仕訳75円)該当する会社
〜50件最低料金(5,500円程度)個人事業主、設立初年度
100〜200件7,500〜15,000円従業員数名の会社
300〜500件22,500〜37,500円小売、飲食など取引が多い業種
1,000件〜75,000円〜複数店舗、EC

2. 証憑の渡し方

同じ件数でも、手間が違えば価格が変わります。

  • データで整理済み — 最も安い。CSVやPDFが月別に整理されている状態。
  • データだが未整理 — 仕分けの手間が加わります。
  • 紙を郵送 — 開封・仕分け・スキャン・返送の手間。1〜2割高くなることがあります。
  • 領収書がバラバラの箱 — 整理から始まるため、さらに加算されます。
自社で月ごとに封筒に分けるだけで、見積りが下がることがあります。 何もしていない状態と、日付順に並べた状態では、作業時間がまったく違うためです。

3. 税理士が関与するか(差が大きい)

無資格の業者は税務判断ができないため、その分だけ安くなります。ただし判断が必要な取引で止まり、その負担は依頼した側に返ってきます。

税理士が関与すると、判断まで含めて進むため単価は上がりますが、社内の確認工数が消えます。詳しくは記帳代行と経理代行と税理士顧問の違い

4. 決算・申告を含むか(年額を左右する)

記帳のみの契約では、決算・申告は別料金です。一般に顧問料の4〜6か月分が加算されます。

月額決算料年間総額
記帳のみ+決算別10,000円15〜25万円27〜37万円
顧問(記帳込み)30,000円顧問料の4〜6か月分48〜54万円
顧問(記帳は自社)30,000円同上48〜54万円+自社の入力工数

月額の差は2万円でも、年額の差は20万円前後になります。しかも上段は税務判断が含まれません。

そのほかに価格が変わる要因

  • 訪問の有無 — 毎月訪問するか、オンラインのみか。オンライン完結のほうが安くなります。
  • 業種 — 建設業の工事別原価、医療の保険請求など、専門性が要る業種は加算されることがあります。
  • 会計ソフト — 事務所が使い慣れていないソフトだと加算される場合があります。
  • 締めの速さ — 「翌月5営業日以内に月次を締める」といった要求があると上がります。
  • 過去分の遡り — 遅れている分をまとめて依頼すると、単価が上がる傾向があります(資料の散逸で確認が増えるため)。
  • 消費税の課税方式 — 本則課税は仕入側もすべて判定が必要なため、簡易課税より手間がかかります。

安い見積りを見たときの確認

  1. その金額に含まれる仕訳件数は — 超過分の単価はいくらか。
  2. 決算・申告は含まれるか — 含まれないなら年額いくらか。
  3. 税理士が関与するか — 判断が必要なときどうなるか。
  4. 証憑の渡し方に条件はあるか — 「データのみ」なら、紙の場合は加算されます。
  5. 最低契約期間・解約条件 — 年契約で途中解約できない場合があります。

確認項目の詳細は記帳代行の見積りで必ず確認する8項目にまとめています。

自社の位置を知るには

まず月間の仕訳件数を数えてください。通帳の入出金の行数+カード明細の行数+領収書の枚数の合計が、おおよその件数です。正確でなくて構いません。

仕訳件数を入れると外注費用の目安が出ます。記帳のみと決算込みの両方の金額、そして経理を1名雇った場合(実質 月約29万円)との年間差額も同時に出ます。


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よくある質問

この記事に関するよくある質問

記帳代行の価格差は何で決まりますか?

主に4つです。仕訳件数(1仕訳50〜100円)、証憑の渡し方(紙の郵送は1〜2割高くなることがある)、税理士が関与するか、決算・申告を含むか。特に後半2つで年額が数十万円変わります。

自分で準備すれば安くなりますか?

なることがあります。領収書を月ごとに封筒で分ける、日付順に並べる、データで渡す——これだけで作業時間が変わるため、見積りが下がる場合があります。何もしていない箱の状態と整理済みでは手間がまったく違います。

「月額5,500円〜」の「〜」は何ですか?

たいてい最小の仕訳件数枠です。月50〜100件程度に収まる場合の金額で、超えると追加単価が加算されます。契約前に含まれる件数と超過単価を必ず確認してください。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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