会計ソフトの権限設定(外注先に何を渡すか)
渡すのは仕訳の入力まで。銀行連携の設定変更・メンバー管理・契約プラン変更・決済機能は渡しません。特に連携の設定にはネットバンキングの認証情報が関わります。給与データは個人情報として別扱いです。
渡すのは「仕訳の入力」まで。設定変更と削除は渡しません
外注先に与えるべき権限は仕訳の入力・編集、証憑の閲覧とアップロード、帳簿の閲覧までです。銀行・カード連携の設定変更、メンバーの追加削除、契約プランの変更、決済・振込機能は渡しません。特に連携の設定にはネットバンキングの認証情報が関わるため、ここは自社で保持してください。
権限の一覧
| 機能 | 外注先 | 理由 |
|---|---|---|
| 仕訳の入力・編集 | 渡す | これが依頼している業務そのもの |
| 証憑の閲覧・アップロード | 渡す | 入力に必要 |
| 試算表・元帳の閲覧 | 渡す | 残高照合に必要 |
| 取引先・科目マスタの編集 | 限定的に | 勝手に増やされると体系が崩れる。追加のルールを決める |
| 銀行・カード連携の設定 | 渡さない | ネットバンキングの認証情報に関わる |
| メンバーの追加・削除 | 渡さない | 権限設計そのものが崩れる |
| 契約プランの変更 | 渡さない | 費用が発生する |
| データの一括削除 | 渡さない | 復元できないことがある |
| 決済・振込機能 | 渡さない | 資金が動く |
| 給与・人事データ | 必要な場合のみ | 個人情報。委託先の監督義務は自社にある |
| 決算の確定・締め処理 | 相談のうえ | 取り消しに手間がかかる |
給与データは特に慎重に
従業員の氏名・住所・給与額・扶養情報は個人情報です。委託する場合、安全管理措置と委託先の監督義務は自社にあります。
- 本当に渡す必要があるかを確認する(記帳だけなら給与の総額だけで足りることがある)
- 渡すなら、秘密保持の条項を契約書で確認する
- 再委託の有無、作業場所(国内か海外か)を確認する
詳しくは経理代行の契約前に確認する契約書の条項と会計データをAIに渡すときのセキュリティにまとめています。
自社側の体制
- 管理者は自社(代表者または役員)が持つ — 外注先を管理者にしない
- 管理者は2人以上 — 1人が来られなくなっても入れる状態にする
- 契約は法人名義・法人のメールアドレス — 個人アカウントだと引き継げません
- アクセス権の一覧を作る — 誰がどのシステムに入れるかを紙1枚で(経理が1人しかいない会社が休職・退職に備える方法)
契約終了時にやること
- 権限を削除する(無効化ではなく削除) — ただし仕訳の作成者情報は残るよう、アカウント自体は無効化にとどめる運用もあります。ソフトの仕様を確認してください
- 共有していたストレージのアクセス権を外す
- 証憑の原本を返却してもらう
- データが自社に残っていることを確認する — 契約が自社名義なら問題ありません
手順の詳細は税理士との契約を解除するときの引き継ぎに。
作業期間の区切り方
権限とは別に、「いつの分を誰が触るか」を決めておくことが事故を防ぎます。
| 運用 | 内容 |
|---|---|
| 期間で分ける | 「前月分は外注先、当月分は自社」 |
| 締めたらロックする | 月次を締めたら編集できない設定にする |
| 締め後の修正ルール | 誰が行うか、どう連絡するかを決めておく |
ソフト別の具体的な手順は会計ソフト別に、費用の目安は仕訳件数から試算できます。
この記事に関するよくある質問
外注先にどこまでの権限を渡すべきですか?
仕訳の入力・編集、証憑の閲覧とアップロード、試算表・元帳の閲覧までです。銀行・カード連携の設定変更、メンバーの追加削除、契約プランの変更、データの一括削除、決済・振込機能は渡しません。特に連携の設定にはネットバンキングの認証情報が関わります。
「全権限がないと作業できない」と言われました。
理由を聞いてください。実際には入力権限だけで記帳は完結します。設定変更まで求められる場合、相手の作業の都合であることが多く、その場合は自社が設定して結果を共有すれば足ります。
給与データも渡していいですか?
本当に渡す必要があるかを先に確認してください。記帳だけなら給与の総額で足りることがあります。渡す場合は従業員の個人情報を含むため、秘密保持の条項、再委託の有無、作業場所(国内か海外か)を契約書で確認してください。委託先の監督義務は自社にあります。