実務の手順 ・ 約7分

確定申告の直前に記帳が終わっていないときの立て直し

期限は3月15日(消費税は3月31日)で動きません。1年分残っていても「通帳→カード→現金→領収書」の順で埋めれば数日で形になります。逆から手をつけると終わりません。

まず結論

期限は動きません。間に合わせる順番は「通帳→カード→現金→領収書」です

所得税の確定申告は3月15日、消費税は3月31日(いずれも休日なら翌開庁日)。1年分の記帳が残っていても、金額の大きい経路から順に埋めれば数日で形になります。順番は①通帳 ②クレジットカード ③現金 ④領収書の突合。逆から手をつけると、いつまでも終わりません。

期限と、間に合わないときの選択肢

項目期限
所得税の申告・納付3月15日
消費税の申告・納付(個人)3月31日
贈与税の申告3月15日
振替納税の口座振替4月中旬(申告期限までに手続きが必要)
申告書が完成していなくても、概算で納付だけ先にできます。 納付した時点で延滞税の増加が止まります。多めに納めた分は申告後に還付されるため、不足するより多めに入れるほうが安全です。

間に合わせる順番

ステップ1:通帳(最優先)

1年分の入出金を、通帳の順番どおりに入力します。ここで取引の7〜8割が埋まります。

  • ネットバンキングからCSVをダウンロードできれば、取り込みで一気に済みます
  • 摘要から相手先と内容が分かるものは、その場で科目を決める
  • 分からないものは仮払金・仮受金で置いて先に進む(止まらないことが最優先)

ステップ2:クレジットカード

カード会社のWebから明細をダウンロードします。利用日で費用を計上し、引落は未払金の消込として処理します。

口座の引落取引を「経費」として入力すると、カード明細と二重になります(クレジットカードで経費を払った)。

ステップ3:現金

領収書のうち、通帳にもカードにも出てこないものが現金取引です。ここまで来ると残りは少数です。

ステップ4:突合と確認

  • 12月31日の通帳残高と帳簿残高が一致するか
  • 仮払金・仮受金に置いたものを確定させる
  • 在庫がある場合は棚卸
  • 減価償却費の計上

青色65万円控除を落とさないために

最大65万円の控除には要件があります。期限内申告が要件に含まれるため、遅れると10万円に下がります。

控除額主な要件
65万円複式簿記+貸借対照表の添付+期限内申告+e-Taxまたは電子帳簿保存
55万円複式簿記+貸借対照表の添付+期限内申告(紙提出)
10万円上記を満たさない場合。期限に遅れるとここまで下がる

1日遅れるだけで55万円分の控除を失います。所得税・住民税・国民健康保険料に影響するため、実際の負担増は控除額以上に感じられます。詳しくは個人事業主が青色65万円控除を取る条件にまとめています。

やってはいけないこと

  • 領収書から入力を始める — 順番が逆です。金額の大きい取引は通帳を通っています
  • 分からないものを調べながら進む — 止まります。仮勘定で置いて後でまとめて処理
  • 完璧を目指して期限を過ぎる — 期限内申告のほうが価値が大きい。後から修正申告できます
  • 領収書が無いものを諦める — 通帳やカードの記録があれば経費にできます(領収書をなくしたときの処理

それでも間に合わない場合

  1. 概算で納付する — 前年の税額を目安に。延滞税が止まります
  2. 期限後でもできるだけ早く申告する — 無申告加算税は自主申告なら軽減されます
  3. 青色は10万円控除になる — 残念ですが、翌年に向けて体制を作り直します

来年に向けて

毎年3月に同じことを繰り返しているなら、原因は記帳が年1回だからです。月次で回っていれば、3月にやるのは決算整理だけになります。

入力を外に出せば、月次で締まる体制が作れます。個人事業主でも仕訳件数が少なければ月数千円からで、確定申告の時期に慌てる時間と比べて割に合うことがほとんどです。仕訳件数から費用を試算できます。遅れた分の取り戻し方は記帳が数か月遅れているときの取り戻し方に。


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よくある質問

この記事に関するよくある質問

確定申告の直前で記帳が全然終わっていません。何から手をつけますか?

通帳です。1年分の入出金を順番どおりに入力すると、取引の7〜8割が埋まります。次にクレジットカードの明細、そこに出てこないものが現金取引、最後に領収書と突合します。領収書から始めるのは順番が逆で、いつまでも終わりません。

分からない取引で止まってしまいます。

仮払金・仮受金で置いて先に進んでください。止まらないことが最優先です。調べながら進むと1年分は終わりません。全部入力し終えてから、仮勘定に置いたものをまとめて確定させます。

どうしても間に合わない場合はどうしますか?

概算で納付だけ先に済ませてください。申告書ができていなくても納付はでき、その時点で延滞税の増加が止まります。そのうえで期限後でもできるだけ早く申告します。ただし青色申告特別控除は期限内申告が要件なので、65万円が10万円に下がります。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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