償却資産申告(1月31日期限)
1月1日時点の事業用資産が対象で、土地・建物と自動車は対象外です。30万円未満の特例で費用にした資産も対象になる点が最も間違えやすく、除却の申告漏れは存在しない資産に課税され続けます。
1月31日までに市区町村へ。1月1日時点で持っている事業用の資産が対象です
償却資産申告は固定資産税(償却資産)のための手続きで、毎年1月31日までに資産のある市区町村へ提出します。対象は1月1日時点で所有している事業用の資産。土地・建物と自動車は対象外(別の税で課税されるため)です。課税標準額150万円未満なら課税されませんが、申告そのものは必要です。
対象になるもの・ならないもの
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 対象 | 機械装置、器具備品(PC・什器・エアコン)、工具、看板、建物附属設備のうち賃借人が施工した内装、太陽光発電設備、医療機器、厨房設備 |
| 対象外 | 土地・建物(固定資産税で課税)、自動車・軽自動車(自動車税等で課税)、無形固定資産(ソフトウェア・特許)、繰延資産 |
| 対象外 | 取得価額10万円未満で一括費用にしたもの、20万円未満で一括償却資産にしたもの |
| 対象 | 30万円未満の少額減価償却資産の特例で費用にしたもの(法人税では費用でも、償却資産では対象) |
| 対象 | リース資産(所有権移転外リースは貸主が申告。契約内容を確認) |
申告の手順
- 12月中に固定資産台帳を整理する — 1月1日時点の状況を確定させます
- 増加した資産を洗い出す — 前年中に取得したもの
- 減少した資産を洗い出す — 売却・除却・廃棄したもの。これを申告しないと課税され続けます
- 市区町村ごとに分ける — 資産の所在地ごとに申告します
- 1月31日までに提出 — 電子申告(eLTAX)も可能
- 6月頃に納税通知書が届く — 年4回に分けて納付
除却の申告を忘れない
実務で最も多い損失がこれです。もう使っていない・処分した資産を申告から外していないと、存在しない資産に毎年課税され続けます。
- 固定資産台帳に残っているだけで、現物が無い資産はないか
- 買い替えで古い機器を下取りに出した場合、その除却を申告したか
- 店舗を閉じた場合、そこにあった資産をどうしたか
年に一度、固定資産の現物確認をすると、この漏れが見つかります(決算3か月前にやること)。
免税点と申告義務
| 状況 | 課税 | 申告 |
|---|---|---|
| 課税標準額150万円以上 | 課税される | 必要 |
| 課税標準額150万円未満 | 課税されない(免税点) | 必要 |
| 該当する資産が無い | — | 「該当なし」で提出を求められることがある |
「税金がかからない=申告不要」ではありません。免税点は課税されないだけで、申告義務は残ります。判定は市区町村ごとに行われるため、複数の市区町村に資産がある場合はそれぞれで判定されます。
賃借物件の内装工事
見落とされやすい論点です。賃借している建物に自社で施工した内装(造作)は、償却資産の対象になります。
- 建物そのものは大家の資産なので、大家が固定資産税を払います
- しかし賃借人が施工した造作は、賃借人の資産です
- 飲食店・美容室・クリニックなど、内装に費用をかける業種では金額が大きくなります
処理は店舗・事務所の内装工事費にまとめています。
1月にまとめて来る手続き
| 期限 | 内容 |
|---|---|
| 1月10日 | 源泉所得税の納付(納期の特例なら1月20日) |
| 1月31日 | 償却資産申告 |
| 1月31日 | 法定調書合計表(税務署) |
| 1月31日 | 給与支払報告書(各市区町村) |
1月末に3つの提出が重なります。年末調整の作業が12月に終わっていないと、ここで詰まります(経理担当者がいなくても年末調整を終わらせる手順)。固定資産台帳の整理は12月中に済ませておいてください。
この時期の負荷を下げるには、日々の記帳が回っていることが前提です。仕訳件数から外注費用を試算できます。
この記事に関するよくある質問
30万円未満で経費にした資産も申告が必要ですか?
必要です。少額減価償却資産の特例で全額費用にした資産も、償却資産申告では課税対象になります。「経費にしたから申告不要」と考えると漏れます。逆に10万円未満で費用にしたものと、20万円未満の一括償却資産は対象外です。
課税されない場合も申告は必要ですか?
必要です。課税標準額150万円未満なら課税されませんが(免税点)、申告義務は残ります。「税金がかからない=申告不要」ではありません。判定は市区町村ごとに行われます。
処分した資産はどうすればいいですか?
除却として申告してください。これを忘れると、存在しない資産に毎年課税され続けます。実務で最も多い損失です。年に一度、固定資産の現物確認をすると漏れが見つかります。