実務の手順 ・ 約7分

法人の決算スケジュール(決算日から申告まで)

申告・納付は決算日から2か月以内。この期間に締め・決算整理・株主総会・申告書作成が入ります。3月決算の年間カレンダーと、期末までにしかできない打ち手を整理しました。

まず結論

決算日から申告・納付まで2か月。逆算すると準備は3か月前からです

法人税・消費税の申告と納付は決算日の翌日から2か月以内。3月決算なら5月31日です。この2か月に、決算整理・株主総会・申告書作成が入ります。実務では決算日の3か月前から着地見込みを立て、期末までに打つ手を実行しておくのが標準的な流れです。決算後にできることはほとんどありません。

年間スケジュール(3月決算の例)

時期やること
1月(3か月前)記帳を最新にする/着地見込みを出す/期末までの打ち手を決める
2〜3月設備投資・決算賞与などを期末までに実行/不要な資産の処分
3月31日(決算日)実地棚卸/現金の実査/固定資産の現物確認
4月上旬未払・未収の洗い出し/請求書の締め/給与の確定
4月中旬決算整理仕訳(減価償却・引当金・消費税の精算)
4月下旬決算書の作成/税額の試算
5月上旬〜中旬定時株主総会(決算の承認)
5月31日法人税・地方税・消費税の申告と納付
6月末まで期首から3か月以内に役員報酬を決定
7月10日源泉所得税の納期の特例分(1〜6月)
7月社会保険の算定基礎届/労働保険の年度更新
11月中間申告・納付(該当する場合)
12月年末調整
翌1月20日源泉所得税の納期の特例分(7〜12月)
翌1月31日法定調書/給与支払報告書/償却資産申告

決算日から2か月に何が入るか

  1. 締めの作業(〜2週間) — 未払・未収の計上、請求と支払の確定
  2. 決算整理(〜2週間) — 減価償却、棚卸の振替、引当金、消費税の精算
  3. 決算書の作成(〜1週間)
  4. 株主総会 — 計算書類の承認
  5. 申告書の作成と提出(〜2週間)
記帳が遅れていると、この2か月に「1年分の入力」が加わります。 通常でも余裕のない期間なので、そこに入力が乗ると間に合いません。決算が間に合わない会社の原因は、決算作業が遅いのではなく記帳が止まっていることです。

申告期限の延長

「申告期限の延長の特例」を申請すると、法人税の申告期限を原則1か月延ばせます。ただし——

  • 納付期限は延長されません(2か月以内に見込み額を納付。しないと利子税)
  • 申請は適用したい事業年度終了の日まで。事後申請はできません
  • 消費税は別制度で、別途の届出が必要(延長は1か月)

詳しくは決算申告の期限に間に合わないときにやることに。

期末までにしかできないこと

打ち手期限
設備投資(少額減価償却資産の特例など)期末までに取得し事業の用に供する
決算賞与期末までに各人へ通知するなどの要件
不要な在庫・固定資産の処分期内に実施し証拠を残す
役員報酬の設定期首から3か月以内
各種届出(消費税の簡易課税など)適用したい期の開始前日まで

これらは決算後に相談しても手遅れです。だから3か月前に着地見込みを出す必要があります(決算3か月前にやること)。

決算期の変更という選択

繁忙期と決算期が重なっている会社は、決算期の変更を検討する価値があります。定款変更(株主総会の決議)と税務署等への届出で変更できます。

  • 繁忙期を避けると、決算作業に人手を割ける
  • 在庫が少ない時期にすると、棚卸の負担が減る
  • ただし変更した期は事業年度が1年未満になり、減価償却や各種の限度額が月割りになります

スケジュールを守る前提は月次です

ここまでの表は、毎月記帳が締まっていることを前提にしています。月次が回っていれば、決算日から2か月は十分な時間です。回っていなければ、どんなスケジュールを引いても間に合いません。

月次で締める体制を作るには、入力を社内で抱えないことが近道です。仕訳件数から費用を試算できます。


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よくある質問

この記事に関するよくある質問

法人の決算から申告までのスケジュールを教えてください。

決算日の翌日から2か月以内に申告と納付です(3月決算なら5月31日)。この2か月に、締めの作業2週間・決算整理2週間・決算書作成1週間・株主総会・申告書作成2週間が入ります。準備は決算日の3か月前から始めるのが標準です。

申告期限を延長すれば納付も遅らせられますか?

できません。延長されるのは申告書の提出期限だけで、納付は決算日から2か月以内のままです。延長期間中に納付すると利子税がかかります。また申請は事業年度終了の日までに提出する必要があり、事後申請はできません。

決算期を変更することはできますか?

できます。定款変更(株主総会の決議)と税務署等への届出で変更でき、繁忙期を避ける、在庫が少ない時期にするといった目的で検討されます。ただし変更した期は事業年度が1年未満になり、減価償却や各種の限度額が月割りになります。

経理を採用する前に、いくらで回るか確かめてください。

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