勘定奉行のまま記帳を外注する手順
インストール型なので受け渡し方式を最初に決めます。バックアップ往復・クラウド版での同時アクセス・CSV受け渡しの3つ。往復方式の事故はほぼ全部「上書き」なので、期間で区切ることが唯一の防ぎ方です。
データの受け渡し方を最初に決めれば、そのまま外注できます
勘定奉行はインストール型が中心なので、クラウド型のように「招待するだけ」とはいきません。実務上は①バックアップファイルをやり取りする ②クラウド版・リモート接続で同じデータを触る ③仕訳データをCSVで受け渡すのいずれかです。同じ期間を両方が触らないよう区切ることが、事故を防ぐ最大のポイントです。
受け渡しの3方式
| 方式 | やり方 | 向いている場合 |
|---|---|---|
| バックアップの往復 | 自社でバックアップ→外注先が復元・入力→返送→自社で復元 | 月次でまとめて任せる。最も一般的 |
| クラウド版・リモート接続 | 同じ環境に双方がアクセス | 頻繁にやり取りする。同時進行したい |
| CSVの受け渡し | 外注先が仕訳CSVを作り、自社で取り込む | 入力だけ任せ、自社でデータを持ちたい |
手順(バックアップ往復方式)
- 作業対象の期間を決める — 「前月分」など。
- 自社側の入力を締める — その期間はもう触らないと決めます。
- バックアップを取って渡す — 日付入りのファイル名にします(例:20260731_backup.zip)。
- 証憑を渡す — データ化して渡すほうが安く早く済みます。
- 外注先が入力して返送
- 自社で復元する — 復元前に現状のバックアップも取っておくと、問題があっても戻せます。
- 残高を照合する — 通帳・カード・現金(通帳残高と帳簿が合わないときの原因の探し方)。
勘定奉行特有の注意点
- バージョンを合わせる — 自社と外注先のバージョンが違うと、復元できない、または戻せなくなることがあります。依頼前に必ず確認してください。
- ライセンス — 外注先が自社データを扱うために、相手側にもライセンスが必要です。会計事務所向けの環境を持っているか確認します。
- データ領域 — SQL Server上で管理されるため、単純なファイルコピーでは移せません。必ず製品のバックアップ機能を使います。
- 締め処理 — 月次締めを行うと編集できなくなります。締めのタイミングを双方で合意しておきます。
- 奉行クラウド — クラウド版なら権限付与での運用ができ、往復が不要になります。移行を検討する価値があります。
CSVで受け渡す場合
外注先が仕訳データをCSVで作り、自社の勘定奉行に取り込む方式です。
- データは常に自社にある — 往復による上書き事故が起きません
- 取り込み形式を最初に決める — 科目コード、税区分、部門コードの対応表を共有します
- 重複取り込みに注意 — 同じCSVを2回取り込むと二重計上になります。取り込み済みの管理が必要です
この方式は会計ソフトを問わず使えるため、将来ソフトを変えても手順が生きます。
外注先に確認すること
| 確認事項 | なぜ |
|---|---|
| 勘定奉行の実務経験 | 操作の癖があるソフトです。未経験だと確認のやり取りが増えます |
| バージョンの対応 | 復元できないと何も始まりません |
| 受け渡し方式の希望 | 相手の運用に合わせたほうがスムーズです |
| 部門・プロジェクト管理の要否 | 建設業・製造業などで必要な場合 |
| 税理士が関与するか | 判断が必要なときに止まらないか(記帳代行業者の選び方) |
「乗り換えが必要」と言われたら
理由を確認してください。勘定奉行のまま外注できる事務所は存在します。対応できないだけの場合、別の事務所を探すほうが早いことがあります。
ただし、クラウド型に移行したほうが結果的に楽になるケースもあります。往復の手間が消え、証憑の受け渡しもデータで完結するためです。移行にはデータ変換の手間とコストがかかるので、説明を聞いたうえで判断してください(勘定奉行のまま記帳を外注する)。
費用の目安は仕訳件数から試算できます。
この記事に関するよくある質問
勘定奉行のまま記帳を外注できますか?
できます。バックアップファイルの往復、奉行クラウドやリモート接続での同時アクセス、仕訳CSVの受け渡しの3方式があります。ただし相手側にもライセンスと実務経験が必要なので、依頼前に確認してください。
バックアップを往復させるときの注意点は?
同じ期間を両方が触らないことです。外注先が作業している間に自社でも入力すると、返ってきたデータを復元した瞬間に自社の入力が消えます。「この月は外注先、この月は自社」と期間で区切ってください。復元前に現状のバックアップも取っておくと安全です。
バージョンが違うと問題がありますか?
あります。自社と外注先のバージョンが違うと復元できない、または元に戻せなくなることがあります。依頼前に必ず確認してください。また勘定奉行のデータはSQL Server上で管理されるため、単純なファイルコピーでは移せません。必ず製品のバックアップ機能を使います。